2016年02月18日

陣形と戦術

中世の陸上での戦いはヨーロッパでは主に陣形を組んで行われました。中国の三国時代でも陣形を組んだ戦いがあったことは三国志などの読者の方々はよくご存知であると思いますが、陣形は主に二つの目的によって組まれた、使用された、と考えられます。ひとつは、集団としてまとまることで個々の被害は少なく軽減するため。もうひとつは、まとまることによって攻撃力も上がる、ということ。陣形同士でこのように押し合うことは陣押しとも言いますね。中世の陸上での戦いはそれなりの大人数で行われましたから、しかもそれが一か所に集まって決戦することが多いですから、陣形を組んで集団で戦うことは自然の成り行きだった、ともいえます。しかしながら、中世のヨーロッパでは中国の三国時代を始め東洋のような魚鱗や鶴翼、雁行、錐行のような陣はなかったというかおそらく知られていたとしてもそこまで広く使われることはなかったでしょうから、基本的には典型的な横列、方陣、騎兵なら錐行のようなあまり煩雑ではないシンプルな陣形を使って戦っていたのではないか、という推論は容易に成り立ちます。十字軍の時代などのイスラムの軍ではある程度まとまって、というか三日月のように弓騎兵(あるいはラクダ)が連なって、敵に効果的な矢を浴びせる戦術は中世の戦いをまとめた書籍などには載っていますが、まぁ概ね言えるのは地方や文化によって戦い方は多少違い、風土や場所にあった戦い方をしていた、あるいは、適合した陣形を使っていた、ということだと思います。簡単にまとめると、集団で戦う以上陣形を組んで行ったほうが統率の面でも有意に戦える、ということ。もうひとつは、大人数を動員するのでやはり戦術運用上でも陣形を組んで戦わざるをえない、というのが実情ということになります。結論からいうと、中世の陸上の戦闘で陣形を組んで戦うのは当たり前、中国の三国時代や中世ヨーロッパなど時代や場所の違いはあれどみなそれぞれその土地や気候にあった戦い方や陣形を用いた、ということになるのですが孫子の兵法で有名な、古代中国の孫子によると一番いい戦い方、というかどんな場所でも通用する最良の戦術は、「無形の陣」だそうです。これはどういうことか、といいますと陣形はある程度時代が重なればいろいろ実践で使えるものも含めてあるけれど、いざ戦闘に直面したらそのときの戦い方で臨機応変に戦うことが一番、ということを説いているのです。陣形同士の戦いではどうしても大勢の歩兵は動きが重く簡単には動かせないため、陣形やその戦い方の組み合わせにも時代を重ねることにある程度のセオリーが出てきます。しかしながら、いざ現地で戦闘になった場合にその時の状況や場所に合わせて、臨機応変に戦えば、百戦危うからずというか少なくとも戦術上は万全に戦えます。陣形もそれを用いた大勢の戦いも三国志で諸葛亮と司馬懿が陣比べをするシーンがある通り、大勢の将兵の命を預かる上少しの采配の差で戦況が覆るなど、空の行いですが、最終的にはその場その場にいる者たちの心構え、というか精神論によるところが大きい、ということでしょうかね。実際の物理空間では戦争をしてはいけませんが、ゲームのシミュレーションでいろいろと試す分には陣形について学べることも多いし戦場においての人間の行動科学なんかも、多いに研究できますね。時代や場所の違いはあれど、人間の戦い方というものは効率と合理性を求める上では基本戦術はどこでも一緒、だったということです。
posted by skywalker at 12:38| 愛知 ☀| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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