2015年08月21日

陸上戦闘の基本

というわけで陸上戦闘、要は陸軍同士での戦いの基本ですが、今回のは特に中世、陸軍の基本中の基本とも呼べる戦いにおいての戦い方、というか軍隊の動かし方の基本について、です。基本的にゲーム理論によって書いています。なのでゲームの基本は常に一対一に置いていますし(ゲームを極めるとそうなるのです)、個々の細かい行動パターンなどのゲームは置いておいて陸軍全体の動き、特に陣形を組んで広い場所などで一対一で正面から戦う場合の戦いについて書きます。この戦い方は中世に特に顕著ですが、まだ武器が剣やパイクなどの白兵武器だった頃の時代の話で、一見完全旧式のようにも思えますが、ゲームの形態としてはこれ以上象徴的なものはなく、また至ってシンプルです。あるわけありませんが実際にこれをまたやると悲惨なことになりますが、ゲームの上の図上演習でならゲームの検討には十分役に立ちます。サッカーや剣術などのスポーツのゲームのほうがゲームの検討にはちょうどよいのか、と思われがちですがゲームを測る上である程度重さがないといけません。しかも、実際にそれをやるとコストが膨大になってしまうので、シミュレーションゲームなどで中世の軍隊を動かすゲーム、が一番ちょうどよくなるのです。今回のは基本的にそれベースで書いていますが、実際の軍隊同士での戦いにもある程度は当てはまることですので読んでいただいて損はないと思います。また帆船などでの艦隊戦にも概ね当てはまります。まぁ基本中の基本ですのであくまでこれも一例と思って読んでいただければいいと思います。それでは、最後までお付き合いくださいますよう。

陸上戦闘、陸軍同士での戦い方、またほとんどどんなゲームにも当てはまりますが、ゲームの基本は対陣、そして両翼に兵力を分散することです。一対一のセオリーが正しければ中央に一点集中させて、突破するのがもっとも効率よくなるのですが、中世においても剣盾やハルバート(斧槍)、パイクなど中央に突撃をかけて突破できないようにはとてもではありませんがそうなっています。まっすぐ突っ込んでもパイク(槍などを並べて突進できないようにする防御陣形)が当然のように待ち受けていますし騎兵では当然餌食です。もたもたしているうちに矢の雨が降ってきますし騎兵ではというとさっき書いた通り槍でパイクされます。なので従って、中世の陸上戦闘での基本は歩兵を以て対陣し、騎兵を両翼に配置して機動性の高い騎兵で両翼から攻める、押し上げるフランキング(flanking)という戦術が基本になってきます。軍隊の一陣形もフランクといいますし翼という意味です。中央から突撃しても意味ないので、サイドの両翼を押し上げて敵の側面を突く戦法がセオリーになってくるのです。この時ほとんどの場合で騎兵が用いられますが、矢の雨をかいくぐる意味もあります。両翼の広い範囲からすばやく横に突っ込まれると当然対応できませんから、その分有利になるという寸法なのです。ただ、これは戦術の基本中の基本で、当然相手も両翼に騎兵を配置していますから、当然フランキングを使っても勝てるかどうかは分かりません。ただ、パイクしてくる歩兵相手の大群に突っ込んでも当然勝てるかどうかは分かりませんし、ノロノロと進軍して矢の雨を受けるのも当然御免なはずですので、やはりフランキングで両翼から騎兵で急速に進軍して敵軍の側面を突く戦術が一応もっとも有効になってくるのです。これは相手に騎兵がいてもいなくても有効で、フランキング時に相手の騎兵を潰した場合でも、もともといなくて上手く側面を突けた場合でもどちらでも有効になります。もっとも元々重装備で何千という大群で対陣しているのに真正面から騎兵で突っ込むというのもおかしな話なのですが、まともに突っ込んで勝ち目がないことは分かっているので両翼から騎兵を進軍させて側面を攻撃するというが一応のセオリーになるのです。ちなみに、ある程度敵を押し込んだか痛めつけた場合は歩兵で堂々と正面から進軍していって結構でしょう。多少の矢の雨は受けますが相手は側面を突かれた上弱っているので多少の数の差があれどいえとも勝てます。この時敵本陣か弓兵隊を側面から潰せればより効率的に進軍できます。こうなるともう勝ったも同然で勝てなくても相手に畏怖と敗北感を植え付けることはできるでしょう。ともかく、敵の防備と攻撃の堅い中央正面を突撃するのは愚行というわけで、戦いの基本は両翼のサイドから機動力の高い部隊で戦線を押し上げる、そして側面を攻撃するといったようなのが基本になってくるわけです。どちらにしろ、敵は側面に対応するのに部隊の向きを分けなければいけませんから、当然中央の防備にも隙ができます。側面攻撃である程度敵を弱らせたら歩兵を中央から進軍させて三方向から攻め込むもよし、ある程度前線を上げて矢の雨を降らせるもよし、ですがとにかく側面攻撃→正面から押し上げ→中央に戦力を集中させる、といったような戦術が基本になるわけです。海戦にも同じようなことが言えますが機動力の高い艦船で両翼を押し上げ、側面を突いたら正面から重火力・装甲の重量船で中央を押し上げて、敵を正面にて殲滅するといった手法が取られます。もっとも、これらのどの方法も戦力あるいは質が敵をある程度十分に上回っているときに取られる方法で、戦力が拮抗していたり勝てるかどうか分からない戦で戦うべきではないのは明白です。この方法がまずいのではなく、そもそも拮抗した状況で戦ってはいけない、ということが言いたいのです。戦争というか戦いのそもそも中のそもそもの基本は、まず絶対に相手に勝てる状況を作るために戦力を配分・配置したりするところから始めないといけないのは当然で、戦争が始まって戦う前に戦果は決まっているというのは明白だ、ということをまず言っておかなければなりません。今まで散々に陣形について説明してきましたがこれはあくまでも万全に戦うための方法というか基本で、実際のゲームとしてはまず戦う前に必ず勝てる状況で軍隊をぶつけるというところに終始します。戦いやそれの戦果というのはあくまで結果であり、戦争の目的は相手も味方も傷付けずに勝つことにありますから、(それに失敗すればどうなるかは誰もが歴史が知っての通り)ゲームの根本の大元の基本としてはまず勝てる状況で敵軍にぶつけるということに終始しなければならないのです。よく少数が多勢を破ったなんて逸話も聞きますがあれは敵軍が油断している状況で相手の不意を完全に突く形で戦いを始めたから勝てたのであり、もっともまともに正面からぶつかったら勝ち目なんてないのは最初から分かっていた話です。少数が多勢を破れるのは戦いを始める前のゲームにおいて上手かったからであり、実際に戦いが始まってから後はやはりほとんど戦い方に差はありません。とにかく、万全に負けない戦い方をするのが重要で、相手を倒すための戦いではないのはまず知っておかなければなりません。もっというと正面から突っ込んでいくのは愚行で、常に相手を分散させて隙を突く戦術を取るべきなのです。


追記  ゲームの種類

補足ですが、基本的にゲームの種類は二種類ぐらいしかありません。細かいゲームの種別はいくらでもあるのですが、ひとつは一対一のゲーム(ゲームを究めると単純に究極にはこれに行き着きます)もうひとつはランダム性、あるいはランダムのゲームといった具合にです。ゲームを究めると一対一のゲームに行き着くのは書いた通りですが、ランダム性、あるいはランダムのゲームといったものはどういうものかというと、直接にはゲームではないのですがゲームあるいは一対一のゲームの組み合わせが無限に、あらゆる組み合わせで起こり得る、という可能性に触れたものです。宗教・仏教用語でいくと色や空あるいは縁起にあたるものですが、ゲームの組み合わせは常に無限に起こり得るものなのです。それをゲームにしたもので典型的なモノの例は例えばオンラインのシミュレーションRPGだったりしますが、とにかくゲームの中身は一対一に尽きるとしていいとして、ゲームの外身、外部は縁起のように無限に組み合わせがあるのです(無限に組み合わせがある状態を縁起といいます)。つまり一対一のゲーム、基本のゲームというかシミュレーションとオンラインのシミュレーションRPGとでは根本的にゲームが違うということになりますが、つまるところオンラインというインフラを設定したがためにデータが膨大になり、それらの組み合わせが起こっている、ということしかいえません。つまり、ゲームが違うといっても基本的な一対一のゲームの組み合わせが無限に起こるゲームということになり、そういう意味でのあるいはメタゲーム(ゲーム外ゲーム)ということになるのかもしれませんね。要は、一対一のゲームの内部とその無限のゲームの組み合わせという点で違うということです。


posted by skywalker at 16:19| 愛知 ☁| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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