2015年02月18日

交易場理論概論

交易場理論概論ということであるがまず
交易場というものから説明しておこうと思う。

交易場とは交易・貿易にもエリアに区分した場がある、
との考え方のことをいう。交易は通常独立した地域圏・交易圏で
成り立っているもの(地域交易圏と呼ぶ)とその地域圏・交易圏同士をつなぐ
間の交易(定期航路・地域間交易)で成り立っていると考えられる。
また、第三の定義として地域間・地域内関わらず利益を追い求めて
比較的軽快な船で本理論とは関係なく単独で交易する場合(密輸業者のような
ケース)もあるものとする。なおこの交易圏の定義はあくまでも交易・輸送に
帆走を使った場合であり、大型のフェリーなどで輸送した場合はあまり風向き・
交易圏を分割する自然な要素はないようにも思えるので差し控えさせていただく。

地域交易圏では主にラテン・ガフセイルなどの三角帆の小型船がメインになると思う。
また地域交易圏でも向かい風への切り上げ性能の高いブリガンティン、スループなどは
四角帆を装備していようと地域交易圏では主要の輸送船となる。
地域交易圏では季節風をほとんど無視する分それだけの航海回数が必要であり、
またほとんど無視しているだけに向かい風を切り上げられる三角帆の小型船が
有用なのである。中型の船で、逆風や内海交易に適応性があるのはスクーナーや
前出のブリガンティンなど。地域交易圏でもシップタイプ(ほとんどが四角帆)の
運用もあると思うが、どちらかというと地域間交易(定期航路)と地域内交易を兼ねており、
向かい風を切り上げる必要性から考えると、どうしても三角帆の船が中心になる。スループ、小型の
スクーナーなどはその代表格で、船体は小さくても機動性と切り上げ能力があるので地域内交易には
うってつけなのである。逆に鈍重なだけのシップ船は積載量があろうと地域内交易には不向きだし、あると
しても地域間交易(定期航路)を兼ねているか一定の風向きに沿って順番に周る(結局は地域間交易につながるため一緒)航路しか考えられないのである。ブリガンティン・ブリッグなどは四角帆の船でもその分適応性があるが、あくまでも小型・中型なのであまりシップの定義の話には入らない。もっぱら、小型船が機動性の観点から地域内交易には便利であり、ステイスルなどの三角帆をまったく装備しないまま地域内交易をするのは考えにくい。例外かもしれないが、ガレーなどは四角帆を装備していても漕ぎ手の力があるのでなんとかなりそうだが、それでも向かい風での不便は想像に余りあるのでやはり定期航路以外に四角帆は考えづらい。その点からもガレーであれど地域内では三角帆が基本なのである。(推進力を高めたシップ(四角帆)船などはもっぱら輸送船の代表格に見られるが、地域内交易では三角帆の小型船が基本なのである。インドのダウやサムブークなどは機動性も考慮してのデザインだが、インド洋を地域交易圏とみなしていたインド商人ならではの考え方である。夏に南風が吹くインド洋では向かい風を切り上げないことは考えられないので、(少なくともできなければ不便)自ずと三角帆の船になったのであろう。元はといえば、ラテンセイル(三角帆)はインドのダウ発祥なので、まぁ不思議ではないといえばなんでもないのだが。少し長くなってしまった。)

交易圏は地域交易圏と地域間交易で成り立っていると書いたが、
地域交易圏Bと地域間交易(より大きな交易圏の円)Aでギアのようなものを想像していただけると
分かりやすいかと思う。つまり、地域交易圏Bのギアと地域間交易(より大きなギア)Aが噛み合わさって
交易圏・航路全体の売り上げを生み出しているのである。地域交易圏Bの利益は地域間交易Aのより大きな利益の一部として吸収されるため、全体として収益のバランスが取れるのである。この手の理論の大前提として、交易路ではどちらか一方が大きな利益を出すと総合的な相場の働きで反対側は損を出すことになる、というものがある。全体でバランスを取っているだめ、片側で利益を出すともう片側では利益は目減りすることになるのだ。(帆走という軽輸送手段を使っている以上、一定距離以上を運べば最低限の利益は保証される。)相場の働きはその交易圏内での物量の動きを介入的に制御することであるが、さきほどのギアで説明したとおり小さい交易圏Bとより大きな交易圏Aでバランスを取っているので、相対的に交易圏全体やその相場(のバランス)が崩れることはない。あくまで論旨は小さな交易圏のギアBとより大きな交易圏のギアAでバランスを取っているためそのギア比率で利益が生み出される、ということであり、また歴史的にも地域における交易圏が自然発生的にそうなっているので概論としてそういうことがいえる、ということである。

余談:EuropaUniversalis4というゲームではトレードノードと物流の概念が取り入れられている。ノード(交易中心地)の間を物流が流れ、最終的にそれが集まる場所で大きな利益を上げられるという仕組みだ。ヨーロッパ中心の植民地時代の考え方だが、それでも16,17世紀は歴史的にも一般的にはそうであったので
それは否定できない。少なくとも貿易を理解するには便利なツールであろう。海外の販売店になるが(英語版しかない)30ドル前後あれば十分買えるので、ぜひamazonでチェックしてもらいたい。またsteamがあればダウンロードでも買えたはずなので、お持ちの方は一度チェックしてみるといいだろう。
posted by skywalker at 08:01| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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